伊豆半島稲取港より伊豆大島までシーカヤックで海峡横断するツアーに参加しました。

日時:平成10年7月31日(金)〜8月1日(土)
集合場所:東伊豆町役場大会議室受付集合時間:17時00分
主催:静岡カヌークラブ
7月31日(金)
 稲取港近くにはたくさんの県外ナンバーの車が集まっており、皆カヌーを積んでいました。初めて会う人ばかりで、中にはキャンピングカーを牽引している人もいました。
 17時30分より東伊豆町役場大会議室にて開会式。実行委員長、東伊豆町長ご挨拶の後、明日の大会についての説明、伴走船の船長の紹介、参加メンバーの自己紹介を行う。大会参加者は35名でした。ほとんどが関東から来たメンバーです。
 引き続き、主催者で用意していただいたパーティを稲取港前で行う。各自適当に夕食をすませた後、明日の朝食及び昼食も大会側で準備していただき、配分される。暗くなった中、明日に備えカヌーを出発地点に運ぶ。暗い中での作業。その後、本日の宿となる「ホテルえいざん」に向かう。明日に備え、本日は皆早めに就寝となる。
 
8月1日(土)
まだ真っ暗な3時半に起床。少し寝不足で、寝ぼけ気味でしたが、時間に余裕はない。各自出発に向けて準備をし、出発地点の稲取港に向かう。スロープになっている場所が少ないため、順番にカヌーに乗り込み、海上で出発を待つ。一人艇や二人艇。いろいろなメーカーのカヌーが港に浮かぶ。中にはブルーウェーブの旗をカヌーに掲げた艇もあった。
   
この日はあいにくの曇り空。朝5時。まだ薄暗い中に町の人も集まっていただき、東伊豆町長のスタートの声で一斉に稲取港を出発する。これより大島まで約30kmの長旅の始まりです。

この海峡横断の大会に合わせてカヌー教室が稲取港内で行われ、子供や女性対象にイベントが開かれました。
 
稲取港を出たところ。すでに伴走船が沖で待機していて、ここから先は6隻の伴走船と一緒に大島へ向かう。とにかく長丁場なので、飛ばさずに力が入らないようにと気をつけながら漕ぎ進む。参加者は61歳から9歳までと幅広かった。
 
6隻の伴走船は先頭に1隻。それを追いかけるように皆がつづく。そうして、カヌーが列から離れないように左右に2隻ずつ。最後尾に1隻が陣取る。順調に漕ぎ進む中、右後方から薄暗い雲が近づく。船頭が「あと30分くらいで通り雨が来ます。」と教えてくれる。やがて、船頭の言ったとおりに雨が降り出す。さすがに海のことはよく知っている。
 
カヌーは伴走船に遅れまいと、一所懸命に漕いでいるのだが、船はこれ以上遅く走れないというスピードで先導する。操舵が大変だったのではと余計なことを考える。
 早い連中は伴走船のすぐ後ろを漕いでいるが、しばらくすると長い列になり、最後尾の船が見えなくなることもあった。50分くらい漕ぐと10分休むというペースで進む。
 
この伊豆半島と大島の間は東京湾に向かう大型船の航路にもなっている。その為、1万トンクラスのタンカーなどが何度となく往来する。大型船からはカヌーを認識することはできない。レーダーにも艇が小さいために映らない。伴走船が必要なのも事故を防ぐためで、船頭さんの指示でタンカーが近づいてくるとそこに待機し、行きすぎるのを待つ。肉眼で遠く向こうに見えたタンカーが、思うより早く目の前を過ぎていく。
 
今回の大会はTVの取材が同行していて、伴走船の1隻に乗り込んでいた。その船から見た休憩中のメンバー。今までの4回の大会の中で一番海の状態がおだやかだと主催者が話していた。海が荒れると休憩中が一番転倒の危険がある。外海に出たがそれほど波も大きくなく(外海に出ると、大きい時は前のカヌーが見えなくなるくらいの時があるらしい)、順調に進む。
 
大島が近づいてきた時、取材用のヘリコプターが迎えてくれた。どこかの新聞社らしい。徐々にだが終わりに近づいてきたという達成感が沸いてきた。まだゴールは先だけど。大島はどんどん大きく見えてきており、あと少しの辛抱。
 
同じ日に大島の野増港沖ではヨットのレース(?)が行われていた。我々の進路を遮断するかのように二つのブイの間を往復している。去年は、このレースを迂回して進んだらしい。。。我々が近づくと十数艇あったヨットが、レースを一時中断してくれて、私達の為に進路を開けてくれた。すれ違い際に軽く挨拶をかわししながら(シーマンシップってやつでしょうか)、もう目の前に近づいた大島を目指す。
 
やった!大島上陸!この瞬間が一番嬉しい。予定では12時頃到着だったが、大きく遅れて13時過ぎとなってしまった。一人の棄権があったが、他は全員横断成功。陸に上がった時、ついふらついてしまう。思った以上に腰から下も力を使っていたようだ。
 
大島上陸後、カヌーを伴走船に積み込み、少ない時間だったが、大島散策。ほとんどのメンバーが大島港近くの浜の湯という温泉に入った。目標達成して楽しいひととき。
 
稲取港に戻り、閉会式と一緒に大宴会。薄日も射し込むようになっており、大会の成功を祝福してくれているようにも思えた。伴走船の船頭さんも加わり、酒が入ってくると海に落としたり、飛び込んだりと悪ふざけ。楽しい2日間の締めくくりとなった。
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 伊豆稲取・伊豆大島黒潮横断カヌー大会